こんにちは!阿倍野区西田辺の歯医者、うえたに歯科クリニックです。
歯周病の治療は、単に症状が出たときに治療を受けるのではなく、長期的に口腔内の健康を維持することが重要です。特に保険診療で行う場合には大まかな治療の流れが決まっており、段階的に進めることが求められます。
今回は、その中でも「歯周基本治療」と「再評価」についてお話しします。
歯周基本治療とは?
歯周基本治療は、歯周病の進行を抑え、健康な歯ぐきを取り戻すための治療ステップです。具体的には以下のような処置を行います。
1.プラークコントロール(セルフケア指導)
歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を取り除くために、患者様自身が行うセルフケアが最も重要です。正しい歯磨きの方法やデンタルフロス、歯間ブラシの使い方を歯科衛生士が指導します。
2.SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯ぐきの上や歯ぐきの中に溜まった歯石を徹底的に除去する処置です。スケーリングでは歯の表面の歯石を除去し、ルートプレーニングでは歯根表面の細菌感染した部分を滑らかにして汚れが付きにくい状態にします。
3.咬合調整(噛み合わせの調整)
歯周病が進行すると、歯のぐらつきが増し、噛み合わせに影響を与えます。不適切な咬合が歯や歯周組織に負担をかけるため必要に応じて咬合調整を行い、歯にかかる力を適切に分散させます。
4.抜歯
重度の歯周病により歯がグラグラになってしまい保存が難しい場合は、周囲の歯や歯ぐきを守るために、やむを得ず抜歯を行う場合があります。
再評価では何をする?
歯周基本治療が一通り完了したら、その効果を確認するために「再評価」を行います。初診時と比較し、どの程度改善したかを確認して今後の治療方針を決める重要なプロセスです。
①歯周ポケットの測定
歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)がどの程度改善したかを測定します。
②出血や炎症の有無をチェック
プラークコントロールやSRPの効果により、炎症が治まり、歯ぐきの出血が減っているかを確認します。
③次のステップを決定
再評価の結果、歯周病が改善されている場合は定期検診(メンテナンス)に移行します。改善が不十分な場合は、『歯周外科治療』へ進みます。
予防歯科の重要性
歯周病治療は、一度完了したら終わりではありません。治療後のセルフケアとメンテナンスが重要です。「痛くなったら歯医者に行く」という考え方ではなく、悪くならないように予防することが大切です。また、セルフケアだけでは歯垢を完全に除去するのは難しいため、定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることが推奨されます。
まとめ
歯周病の治療ではまず歯周基本治療を行い、その成果を再評価することが大切です。
治療後もセルフケアを継続し、定期的にメンテナンスを受けましょう。