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なぜ自費の根管治療を選ぶ人が増えているのか?

こんにちは!阿倍野区西田辺の歯医者、うえたに歯科クリニックです。

歯の神経にまで達したむし歯や感染症に対して行う「根管治療」は、歯を抜かずに残すための大切な処置です。しかし日本では、この根管治療に関して深刻な課題があることをご存知でしょうか?患者様の歯を守りたいという思いとは裏腹に、制度や環境によって思うような治療ができないケースがあるのです。今回は、日本の根管治療が抱える課題と、当院の治療方針についてご紹介します。


日本の根管治療が抱える問題とは

現在の保険診療では、根管治療に必要な高度な器具や十分な治療時間を確保することが難しいという現実があります。根管治療は非常に繊細な処置で、わずかな汚染や処置の甘さが後の再発につながる可能性がありますが、保険の点数設定が低いため、医院としても十分な対応が困難な場合があるのです。

 

成功率を大きく左右する「ラバーダム」

治療中の細菌感染を防ぐために重要なのが、「ラバーダム」という防湿シートの存在です。これを使用すると治療の成功率は約90%まで高まるとされていますが、使用しない場合は50%以下まで下がるともいわれています。それほど重要な器具であるにもかかわらず、多くの医院で使用されていないのが現状です。

 

ラバーダムの使用が進まない背景

ラバーダムが普及しない背景には、保険制度上の問題があります。2008年の改定により、ラバーダムの使用に保険点数がつかなくなりました。つまり、医院が費用をかけて導入しても、それに対する報酬は支払われないのです。この制度的な矛盾が、患者様の治療成績にも影響を及ぼしているのです。

 

アメリカの根管治療との違い

海外では、根管治療は「専門医」が行うケースが一般的です。アメリカでは根管治療を行う歯科医師が専門的に訓練を受け、顕微鏡や最新機器を駆使して丁寧な処置を行います。費用は1本あたり10~20万円と高額ですが、責任のある質の高い治療が提供されています。

 

当院の方針と患者様へのご提案

当院では、保険・自費のいずれの根管治療にも対応しています。患者様に無理な選択を強いることはありませんが、「将来まで歯を残したい」「再治療のリスクを減らしたい」という方には、自費治療という選択肢もご案内しています。精密な機器と時間をかけた丁寧な治療によって、歯の寿命を延ばすことを目指しています。

 

まとめ

治療した歯が再び感染し、抜歯せざるを得なくなるケースは珍しくありません。そうならないためにも、「どのような治療を受けるか」はとても重要です。自費診療はひとつの選択肢であり、あくまでも患者様ご自身が納得して決めていただくことが大切です。

当院でも、症状に応じて適切な根管治療をご提案しております。「歯を残したい」「他院で抜歯と言われた」といったお悩みがある方も、ぜひお気軽にご相談ください。