こんにちは!阿倍野区西田辺の歯医者、うえたに歯科クリニックです。
歯科治療には「虫歯治療」と「歯周病治療」の2つの大きな柱があります。しかし、どちらか一方の治療だけを行っても、口腔内の健康を維持するには不十分です。それぞれの治療が異なる部分にアプローチするため、両方のケアを行うことが重要になります。
今回は、虫歯治療と歯周病治療の違いと、なぜ両方の対策が必要なのかについてお話しします。
虫歯治療の目的とアプローチ
虫歯(う蝕)は、主に細菌が出す酸によって歯が溶けることで発生します。虫歯が進行すると、歯の内部の神経にまで影響を及ぼし、激しい痛みを引き起こすことがあります。虫歯治療の目的は、「感染した部分を除去し、詰め物や被せ物で歯の形態と機能を回復すること」です。
虫歯治療の主なアプローチ
・初期の虫歯
フッ素塗布や経過観察で進行を抑えます。
・中程度の虫歯
虫歯部分を削り、コンポジットレジンやインレーで修復します。
・重度の虫歯
神経をとる根管治療やクラウンを装着する治療をします。
・抜歯が必要な場合
抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯などで歯を補います。
このように、虫歯の治療は歯そのものの回復に焦点を当てたアプローチを図ります。
歯周病治療の目的とアプローチ
一方、歯周病は歯ぐきや歯を支える骨に影響を与える病気です。歯周病の原因となるのはプラークや歯石に含まれる細菌で、これらが炎症を引き起こし、進行すると歯を支える骨が溶けてしまいます。最終的には歯が抜け落ちることもあります。
歯周病治療の主なアプローチ
歯周病治療の目的は、「歯を支える組織を健康に保つこと」にあります。
・初期
ブラッシング指導やクリーニング(スケーリング)でプラーク・歯石を除去します。
・中程度
歯周ポケットの深い部分までクリーニング(SRP)を行います。
・重度
歯周外科治療によるポケットの改善を図ります。
・抜歯が必要な場合
やむを得ず抜歯を選択した場合は、インプラントや義歯での対応をします。
虫歯治療だけ、歯周病治療だけでは不十分な理由
どちらか一方の治療だけを行っても、口腔内の健康を維持することはできません。
① 虫歯治療だけでは歯を支える土台が不安定になる
虫歯がないからといって安心していると、歯ぐきが炎症を起こし、歯周病が進行する可能性があります。歯周病が悪化すると歯を支える骨が減少し、最終的には健康な歯も抜け落ちる危険があります。
② 歯周病治療だけでは虫歯のリスクが残る
歯周病を予防・治療しても、歯の表面にプラークが残っていると虫歯が発生するリスクは高いままです。特に歯周ポケットが深くなるとそこにプラークが溜まりやすくなり、虫歯と歯周病が同時に進行することもあります。
まとめ
虫歯と歯周病は、それぞれ異なる部分に影響を与えるため、どちらか一方の治療や予防だけでは十分とは言えません。健康な歯を長く維持するためには、虫歯の治療と歯周病の治療をバランスよく行い、定期的なメンテナンスを続けることが大切です。歯科医院でのチェックを怠らず、毎日のケアを徹底することで、より良い口腔環境を保ちましょう。