こんにちは！阿倍野区西田辺の歯医者、うえたに歯科クリニックです。

根管治療（歯の神経を取り除く治療）は、歯を保存するためにとても重要な処置です。しかし、治療はそれで終わりではありません。実は、根管治療後に行う「歯の土台（コア）」の治療こそが、その歯の寿命を大きく左右する鍵を握っています。今回は、当院でも採用している「ファイバーコア」という素材に注目し、その特徴と重要性についてご紹介します。

 

土台（コア）は“歯の柱”

むし歯が深く進行して歯の大部分を失ってしまった場合、歯に被せ物（差し歯）を装着するためには、まず「土台（コア）」が必要になります。コアは歯を補強する柱のような役割を果たし、これがしっかりしていないと、せっかくの被せ物もすぐに外れたり、歯が割れてしまったりします。家に例えるなら、どれだけ見た目が立派な家でも、柱や基礎が不安定では長持ちしないのと同じです。

 

金属コアのリスクとは？

従来よく使われていたのが金属製の「メタルコア」です。硬くて強度に優れていますが、その反面、歯よりも硬すぎるため、強い力が加わると歯根が割れてしまうリスクがあります。特に歯質が少ない場合には、力を吸収できずに「縦破折」を起こしやすくなり、そうなると抜歯せざるを得ないこともあります。

 

ファイバーコアのメリット

このようなリスクを軽減するために注目されているのが「ファイバーコア」です。しなやかで歯に近い弾性を持ち、噛む力を分散する性質があるため、歯が割れるリスクを大幅に低下させます。また、以下のような特徴もあります。

 

・自然な見た目

白く透明感があり、金属のように歯ぐきを黒く変色させることがありません。オールセラミックの被せ物にも最適です。

 

・金属アレルギーの心配なし

金属を使わないメタルフリー素材なので、体への影響も少なく安心です。

 

・再治療にも対応しやすい

必要に応じて除去が比較的容易なため、将来のトラブルにも対応しやすい素材です。

 

デメリットにも注意が必要

一方で、ファイバーコアは保険が適用されないため、メタルコアやレジンコアと比べて費用がかかる点があります。また、治療を行う歯科医師の技術や歯の状態によって仕上がりが左右されるため、精度の高い処置が求められます。

 

まとめ

根管治療が成功しても、その上に築く「土台」が不十分であれば、歯の寿命は短くなってしまいます。見えない部分だからこそ、丁寧で質の高い治療が必要です。当院では、患者様の大切な歯を1本でも長く守るため、ファイバーコアの使用を標準としています。

当院では、症状に応じて適切な根管治療をご提案しております。「歯を残したい」「他院で抜歯と言われた」といったお悩みがある方も、ぜひお気軽にご相談ください。